PMサクライブログ:(第3回)データ移行失敗からのリカバリー【前編】 ~データ移行経験20年のベテランが語る絶対知っておきたいデータ移行のポイント!

2019-07-24

 

 

このコーナーは、リアライズの凄腕PMサクライがデータマネジメントノウハウや、最近のトレンドをご紹介するコーナーです。数々のデータマネジメントPJを先頭に立ってやり抜く。口癖は「ええねんけどなぁー」。

 

データ移行で失敗した場合

どうも!お久しぶりです。
えっ?どれぐらいお久しぶりだと思っているのかですか?
そりゃぁもう、元号が変わるぐらいですw
前回は2018年の1月でしたので、えーっと。「令和」おめでとうということで。

 

さてと。前回はデータ移行全般について簡単にご紹介いたしましたが、今回はデータ移行の重要性を知って頂きたいと思い、データ移行失敗からのリカバリーについてお話しいたします。

 

そもそもデータ移行との出会いは、今から20年以上前になります。
しかも後に理解することになるのですが、データ移行に失敗し、かつ決算処理の繰越し更新処理も上書いて失敗していたという、ダブルパンチに見舞われていたシステムのアプリケーション保守を丸投げされたというプロジェクトが最初になります。

 

当時、新卒1年目であった私にはプロジェクトなどという経験は全くなく、知識も技術も無い、いわゆるぺーぺーでした。
そのぺーぺーがある日突然、完成した(一応そういうことになっている)システムのアプリケーション保守要員に任命され、しかも上司も先輩も全員引上げ独りぼっちで5メガステップのPL1を任されるという、今の社会ではもう撲滅されているであろう(多分)状況に放り込まれることになりました。

 

「ブラック企業じゃぁないか?」ですって?
当時はそんな言葉はありませんでしたので、「修行」だと思ってましたw(給料も激安でしたw)

 

連日のアベンド、リラン、容量不足、インデックス容量オーバー等々、数えきれないトラブルシューティングの嵐で、しかも、すぐ横でお客様が「早く直せ」とばかりにプレッシャーをかけてくる環境は、そりゃもうある意味天国です。
徹夜なんてざらですし、まるで百科事典のようなエラーメッセージ一覧と英語直訳の意味不明な日本語解説の行間を読み解きながらの毎日は、私をあっという間に鍛え上げてくれました。(今では感謝しています。ホントです。ホントホント。)

 

そのような中で、一年間の集大成とも言える決算処理がどうしても合わないという現象が2年続けて発生しておりました。
解っていたのは、現年度は完璧なのですが、いわゆる過年度(昨年以前)が合わないという事象だけで、原因は不明でした。

 

当時の私は、そもそも自分の作ったシステムではありませんし、上司や先輩たちのミスが元で発生している結果ですので、あまり真剣に原因の究明に取り組んだり解消しようなどという気概もありませんでした。
「迷惑なシステムを押し付けられたなぁ」と半ば呆れていました。
そんな中での救いは、お客様ととても仲が良かったということです。

 

そんなお客様から決算処理を終え、ラップアップの時に「0点」と言われた事がショックで、何としてもお客様のご要望にお応えせねばと奮起した事がデータの大切さに目覚めた最初の出来事でした。
(いわゆる当事者意識の発芽とでもいいましょうか。)

 

 

正しい処理と、正しいデータ

当時、数字が合わない原因が判別出来なかったのは、頻発するアプリケーションエラーと不正データの組み合わせに論理的な説明が付かなかったことが大きく、システム間のデータ連携も相まって根本原因の特定が困難を極めていました。

 

この時、私はお客様に「まず、データを正しい状態にすることを優先し、むやみにアプリケーションを修正するのは止めたい」とお願いし、1年間極力アプリケーションの修正をSTOPして頂きました。
正しいアプリケーションであるのに誤ったデータをなんとか正しい形に処理するためのロジック変更は、さらなる不具合を呼び込むことになるので、データを中心に正しい形を実現させて欲しいとお願いしたのです。

 

1年間という時間をご理解頂き、一つ一つ事象を振り返りながら「本来あるべき姿」を検証する日々が続きました。

 

基本設計書を何度読返しても何かが不足している感覚が消えずに悩んでいたところ、たまたま開発当時の引継ぎ資料を見返していると、「マイナス数値の意味」に言及している資料を発見しました。
「マイナス数値の意味」については基本設計書には言及されておらず、実装されているかも不明でしたが、シミュレートした結果、理屈的には合っていることが証明され、私はこれこそが決算数値の合わない原因であると確信しました。

 

ですが、問題はここからでした・・・。

 

 

長くなってきましたので続きは後編でお伝えします。

 

 

※記載内容は執筆当時のものです。株式会社リアライズは2023年1月1日に株式会社NTTデータ バリュー・エンジニアに社名変更しました。

 

 

次回のPMサクライブログ

失敗の原因を特定することのできた若手社員が次にとった行動は?そして、そこから得たものとは!!

(第4回)データ移行失敗からのリカバリー【後編】

 

   

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(第2回)リアライズとAIの意外な関係性

 

 

 

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