データ活用の現場より:(第2回)低温調理とKPI

2023-05-30

 

 

このブログはNTTデータ バリュー・エンジニアの中でもデータ活用を推進しているグループのメンバーが、実際に体験し、奮闘してきた経験を元にデータ活用に向けたノウハウや勘所をお伝えしてまいります。今回は料理大好き「ヒラタ」が担当します。

 

低温調理とは

最近、低温調理が流行っていますね。

昔からあった技法ですが、テレビでもよく見かけるようになりました。

最近では、ボニークのような商品が出てきたことで、一般家庭でも手軽に低温調理できるようになってきたのが大きいように感じています。

 

低温調理って何? という方のために、ざっくり説明いたしますと、

真空パックした食材を低温でじっくりと加熱していく調理法のことです。

食材によって調理する温度は変わりますが、だいたい40~60℃の温度帯で調理をします。

 

お湯で煮る場合は100℃。フライパンで強火で炒めると200℃ぐらい。

グリルだと300℃以上になるので、低温調理が通常の調理法よりも低い温度であることがわかりますね。

 

 

なぜ低温で加熱するのか?

低温調理が、なぜ低温で加熱するのか?

それは、ズバリ美味しくなるからです!

 

何でもというわけにはいかないですが、特にお肉に対しては効果的で、しっとりとやわらかくジューシーに仕上がります。

 

それはなぜか?

そもそも肉は高温になるとアクチンというタンパク質が変性して、水分が抜けたパサパサの状態になっていきます。

鶏むね肉なんて最たるものですよね。

 

だから、パサパサになる前の、低い温度で調理すれば良い。という考えが低温調理です。

考えた人は頭が良い!!

 

ただ、当然ですがちゃんと中まで火が通っているということが前提です。
火が通ってない、中途半端にあたたかくした生肉ではお腹を壊してしまいますからね。

 

また、生肉のままだとグニョグニョとしていて食感が良くないというのもあります。

なので、肉が固くなるタンパク質変性温度を超えずに、且つ、中心までちゃんと細菌を殺せる温度を狙うということが大切になってきます。

安全に、おいしく低温調理をするには、食品安全委員会のHPが参考になりますね。

 

 

低温調理のコツ

低温調理の肉料理はやることが多いのですが、今回は2つの料理で工程を紹介します。

 

1つ目は鶏ハム。

鶏ハムはしっとりさが命だと思うのです。

胸肉を使っていることもあり、火を入れ過ぎるとパサパサになってしまうのです。

ラップでくるみ、水が入らないようにハムの形状に成形した鶏胸肉を、お湯をはった鍋に投入して、温度計で水温を管理しながら加熱します。まさに低温調理ですね。

 

うちは65℃で2時間程を目安にしています。

水温が下がればコンロの火をつけ、水温が上がれば火を消しますが、さすがにそろそろ指定した水温に保って調理してくれるボニータが欲しいなと思ってきました。

 

2つ目はステーキ。

やっぱりステーキは分厚いのがいいですよね!!

なるだけ厚めの肉を買ってきて、ミディアムに焼いて、トリュフ塩でいただくのがうちのトレンドです。

ただ、ステーキをキレイに、ミディアムで焼くのは難しい!

 

片面を●分ずつ焼いて、ホイルでくるんで寝かせる。本やネットを見て色々試しましたが、コンディションによって異なるのか、うまくいったりいかなかったりします。

美味しいステーキが焼ける人は、超能力者なのか?と思う始末です。

 

そして、色々と試行錯誤した結果、低温調理は温度管理を意識すべきというところに至りました。

表面に焼き色をつけたら、温度計を指して、オーブンに入れる。なるべく低い温度で芯温が65℃くらいになるまで加熱します。

 

ステーキと言わず、塊肉をオーブンで調理するローストビーフとか、牛肉の塩釜焼きをする時なんかも、このやり方をするのが確実だと思い、私はやっています。

 

 

 

温度を管理するということ

前置きが長くなりましたが、

「美味しいお肉を食べるには温度管理が大切ということ」

「温度がわからないとどこまで加熱していいかがわからないということ」

上述した2つのやり方は、温度管理に違いがあることにお気づきでしょうか?

・加熱する水温

・肉の芯温

 

肉の温度をちゃんと管理するなら肉の中心である芯温で管理するのが一番です。

当然ですよね?

肉の本体がどうなっているかを見るなら肉の温度で計る、実にわかりやすいですね。

 

しかし、肉の芯温を測ろうとすると、肉に温度計を刺さないといけないわけです。

ラップで巻いてお湯に入れて調理する場合や、複数の食材を一緒に加熱している場合は、温度計を刺して測ることはできませんし、そもそも刺して測るタイプの温度計を用意しなければいけません。

 

なので、いわゆる低温調理をするには、芯温が目的の温度になるように水温と加熱時間を調整する、というやり方が手頃だと思います。

 

温度を数値として捉え、ちゃんとモニタリングし、一定の基準に達するかどうかで判断するわけですが。

 

あれ、これってKPIと同じなんじゃないかなと考えます。

 

 

低温調理のKPI

KPIとはKey Performance Indicatorの略で、日本語では重要業績評価指標と呼ばれています。

目標に対しての達成度合いを数値化して、計測できるようにした指標がKPIですね。

 

一方、どこまで達成するかがKGI(Key Goal Indicator)重要目標達成指標で、ビジネスにおける最終的な目標数値であり、この達成を目指し、さまざまな方策を講じながら皆様ビジネスに打ち込んでいらっしゃるでしょう。

 

上述のお肉の例でいうと、KPIがお湯の水温で、KGIが達成するべき肉の芯温(=細菌が死滅し食べても安全、肉の食感もいい感じ)ということになります。

 

ビジネスの世界で広く使われているKPIですが、目標に対して重要となるプロセスを見定め、それを数値化して可視化することが重要になってきます。

定期的に達成状況を観測することで、目標に対する動向を把握し、必要に応じてアクションを打てるからです。

 

そして、その数値が信頼に足るものであるためには、データが適切でなければならないということは言うまでもないことでしょう。

 

 

信頼できるデータで活用を

昨今、ビジネスにおけるデータ活用が重要となってきています。

しかし、企業内には多種多様なデータが存在するからこそ、適切なデータを見定めることに苦労したり、データの品質に疑問が生じたり、データの可視化に悩まれたりといったご相談をよくいただいています。

 

所有しているデータをただなんとなく使うのではなく、KGI達成に必要なKPIを、信頼できるデータから継続的に可視化できるようにして、目標達成に向けたビジネスを1つ1つ、きっちりと組み立てていくのが良いと考えています。

 

良いビジネスには正確なデータが、美味しいお肉には正確な温度が必要です。

もちろん美味しいお塩もお忘れなく!

 

料理大好き「ヒラタ」でした!

 

 

 

     

前回のデータ活用の現場より

【新連載】誰でも手早く簡単に!料理もデータも●●しすぎはダメなのです。

(第1回)料理好きとデータの世界

 

 

 

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