データコンサルYブログ:(第3回)「データは一人では生きられない」~データマネジメントのすべては分からないが基本的なことはよく分かるブログ

2020-09-08

 

 

このブログは、人当たりの良さとマニアックな知識で、世間の荒波を漂流しリアライズに流れ着いた「流浪のデータコンサルY」が、データマネジメントについて控えめに語るブログです。仕事の合間の息抜きにご利用ください。

 

前回の振り返り

データを説明するデータを「メタデータ」と呼ぶ

●データを説明するための基本のキは”正しく名前を付ける”こと

●加えて、データの概要や取り得る値範囲、型や桁も明確にするとGood!

 

はじめに

9月に入り少しずつ暑さが和らいできたように思います。もうじき「〇〇の秋」なんてワードが囁かれるようになりますね。私にとっては毎年「食欲の秋」なんですが、今年は特に運動不足がたたって、お腹周りがとても気になっています。ということで「運動の秋」にすべく腹筋とスクワットを始めました。でも、”継続することが一番難しい”んですよね・・・何度も失敗してるので、今回こそは継続してやるぞー!と気合だけは十分です。

 

さて、前回までは”商品価格(税抜)”と命名された1つのデータに着目をしてきたわけですが、よくよく考えてみると、1つのデータがあったから何だというのでしょう? 実は、特別な場合を除き、何の意味もなさないんです(ヒソヒソ) そこで今回は、”データを利活用するための管理単位”ついて考えてみることにします。

 

データ1つじゃ言葉足らず

まずは想像してみてください・・あなたが誰かに「商品価格が税抜で100円だったんだ!」と言われた場面を。(”商品価格”とは滅多に言わんだろ・・・というツッコミは無しで)

 

次に、あなたが何と答えるかを想像してみましょう。

 

想像できましたか?

では、ここからは私が妻にそう言われた場面を思い浮かべ、「こう答えるだろう」という会話形式で進めてみます。

 

 

Y03a.PNGあるいは、こう答えているかもしれない。

 

Y03b.PNG

こういう答えもあるかもしれない。

Y03c.PNG

 

まぁ実際の会話でこんな返しを続けていたら「分かるだろ!」とか「察しが悪いな~!」と怒られるかもしれません(笑)でも、実際のところ分からないし、正直な反応だと思いませんか?要するに、いろいろ足りていないということなんですよね。

 

「”商品価格(税抜)”が”100”」というデータが1つあるだけだと、上記の会話のような状態にしかならないわけです。言葉足らずなんです。

 

Y03d.PNG

 

データが集まりゃ話が伝わる

続いて、先ほどの会話で足りなかった言葉をあれこれ足してみましょう。その上でどう答えるかを想像してみます。

 

Y03e.PNG

自分で書いておいて何ですが、妻の立場になって考えると、こんな無味乾燥な返しされたら「何その反応?」とか「何の感想もないの?」と少し怒りたくなりますよね(汗)ここでは、内容に不足がないので、ちゃんと相手に話が伝わったことを言わんとしております。

 

データっぽく表現するとこんな感じ。上記の会話が夫婦間で適切か・・・はさておき、言葉足らずではないですよね。

※以降、このようにデータがつながったものをレコードと呼ぶことにします。

 

Y03f.PNG

 

レコードが集まりゃ話が弾む

ここからは、”データを利活用する”という視点が加わります。さっきの例では、レコード1つは「買い物」という1回の出来事を示していると言えますが、この買い物が日々行われ、日々夫婦の会話があったとしたらどうなるでしょう?

 

日々の会話をレコード表現してみます。

 

Y03g.PNG

この前提で先ほどの会話を再現してみましょう。

 

Y03h.PNG

 

そうそう!せめてこのくらい返せれば、味気ない回答で妻の気分を害すことなく、会話のキャッチボールが始まるでしょう(笑)それはさておき、ここで重要なことは、妻が普段ABCスーパーでX牛乳を180円で買っていることを知っていたからこそ、今回の税抜100円が激安であることが分かったということ。そして、普段は1本しか買わないことを知っていたからこそ、5本買ったことが普段と異なることが分かったということです。結果として、先ほどの例よりは人間味のある良い返しになったのでしょう。

 

 

話が弾めば行動が変わる

今回のブログの主題から少し外れますが、せっかくなので触れておくと、知識を積み重ねると、それを基に行動を変えることができるようになります。小難しく言えば、目的を立て仮説検証を行うことができるということです。具体的に例を考えてみましょう。

まず、”妻を喜ばせる”という目標を立てたとします。そして『X牛乳が税抜100円だと激安』と『妻はX牛乳が激安の場合は多めに買う』という知識から、『X牛乳が〇〇円以下の場合、××本買って帰ったら妻は喜ぶはずだ』という仮説を導き、該当する状況があれば行動する、と計画に落としこみます。

 

さぁ、実際に行動に移したらどうなったでしょうか?

BAD ENDにするとツライので、結果オーライにしちゃいます(笑)

 

Y03i.PNG

すごく単純化しましたが、これが「データを利活用」して目標を達成するということです。

 

データを利活用するための管理単位

ここまで話をしてきた内容は、1980年代にアメリカ人のRussell L. AckoffによってDIKWモデル(DIKW Pyramid)として定義されています。いやー、その歴史におったまげてしまいますね。

 

Y03j.PNG

 

私的な理解を含めて、それぞれを簡単に説明します。

データは、それ単体では意味をなさないものとされています。

・ 情報は、データをつなげて人間にとって意味をなすようにした(例えば、5W1Hのように文脈を与えた)もの。

・知識は、情報を集め関連付けた結果から読み取れる事実や傾向、法則と考えて良いと思います。ただし、適用される領域が限定されたり、主観が入ったりすることがあります。

・そして知恵とは、ある目的を達成するために知識が適切に使われる様を指していると考えます。

 

さぁ、これで今回のブログの主題である”データを利活用するための管理単位”が何か分かったのではないでしょうか。そうです、DIKWモデルでいうところの”情報”です。冒頭で「1つのデータがあっても何の意味もなさない」としたのはこういうことだったのです。

 

 

おわりに

思ったより長くなったので、今回はここで区切りを入れさせていただきます。(長すぎると読む気が失せますよね!?)なるべく早く続きを書くので、ちゃんと覚えておいてくださいね。

余談になりますが、タイトルの「データは一人では生きられない」というのは、”データをつないで情報にしないと人間にとって意味をなさない”ことを表そうとしたのですが、今回のブログを書くにあたり、井上大輔さんの『めぐりあい』がずっと頭の中に流れていました・・・

 

次回予告

DIKWモデルの”情報”は、データマネジメントの世界においては「エンティティ」と呼ばれることの方が多いのではないでしょうか?次回はデータを管理するための基本単位である「エンティティ」について触れたいと思います。お楽しみに!

 

 

※記載内容は執筆当時のものです。株式会社リアライズは2023年1月1日に株式会社NTTデータ バリュー・エンジニアに社名変更しました。

 

 

 

次回のデータコンサルYブログ

集めた情報を管理する上で大切なこととは。必要な情報は○○によって異る??

(第4回)その情報、本当に必要ですか?

 

   

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