AI時代の主役は「データに価値を与える人」になる ―社長・大西に聞いた、これからの人材育成と「国を動かした」舞台裏
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空前のAIブームが到来していますが、その裏側で「データそのもの」の重要性がかつてないほど高まっています。今回は、政府機関への提言活動などを通じて日本のデータマネジメントの普及・発展に奔走してきた弊社代表の大西に、これからの時代に求められる人材像と、自ら国の中枢へ働きかけて実現した「新たな国家戦略」について、話せる範囲で(!)こっそり教えてもらいました。
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NTTデータバリュー・エンジニア 大西浩史社長 |
AIも結局は「データ次第」なんです
―― 最近、どこに行ってもAIの話ばかりですね。
大西:そうですね(笑)。でも、どんなに賢いAIを持ってきても、そこに食べさせるデータが整っていなければ、まともな答えは返ってきません。企業内のデータを見てみると、今でも同じ取引先なのに重複したデータがいくつも存在していたり、同じ意味のデータであっても部門ごとに定義が違っていたりする「Conflict Data(矛盾したデータ)」だらけ……なんてことはよくあります。
「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れたらゴミが出る)」という言葉どおり、AI時代だからこそ、その活用の対象となるデータやコンテキスト情報(=メタデータ)の品質や管理が重要になっているんです。
―― 確かに。日本企業はそのあたり、実際のところどうなんでしょう?
大西:日本企業のデータ活用効果の実感値は米国の1/3以下という調査結果もあります。その原因の多くは、業務システムのデータが「業務を回す目的」で生産・蓄積され、そのまま「未整備」の状態では活用できないことに起因しています。データサイエンティストなどの高度人材が、本来の分析業務ではなく、この「Conflict Data」を解消するための「前処理」に約8割もの時間を奪われているという記事を目にした方も多いのではないでしょうか。
これじゃあ本末転倒ですよね。データドリブンな意思決定を行うためには、まずこの足元のデータを「使える状態(Readyな状態)」に整備し続ける仕組みや取り組みが必要です。
今こそ、All Japanでデータマネジメントを起動させるために
―― そんな課題感もあって、大西社長は大掛かりな動きをされていたとか?
大西:ええ、実はそうなんです(笑)一企業の活動だけじゃなくて、もっと大きな枠組を変えないといけないと思って、政府機関などの方々に「IT側とビジネス側をデータでつなぎ、データマネジメントを実践する人材が必要だ」と提言をしてきました。 そうして、経産省・情報処理推進機構(IPA)が企画・組成したタスクフォースに有識者の皆様と共に参画し、私が主査(リーダー)となって日本のデータマネジメント人材の定義や育成について議論をしてきました。
2027年、ついに「国家試験」が変わります
―― その働きかけが実を結んで、新しい試験ができると聞きました。
大西:そうなんです。大きなニュースとしては、2027年度から、情報処理技術者試験に新しく「データマネジメント試験(仮称)」が始まる方向で動いています。これまでの「ITエンジニア向け」の試験とは違って、営業や企画職など、すべてのビジネスパーソンが対象です。「自分の入力したデータの質がどう活用に影響を及ぼしているのか」など、AIが出してきた答えがどのようなデータに基づいているのかの真贋を問えるような、いわば「データの読み書きそろばん」を問う試験ですね。
―― 国家試験になるんですね!それは影響力が大きそうです。
大西:既存の「応用情報技術者試験」の改定も検討されていて、データスチュワード、データエンジニア、データアーキテクトといったデータマネジメント人材の概念が組み込まれる予定もあります。 情報処理技術者試験の大幅な改定のメインにデータマネジメント人材が据えられるということは、国としての「データを整備・活用できる人材こそがAI時代の主役である」という、かなり強いメッセージなんですよ。
「教育」だけじゃなく「実務」を変える
―― そうなると、今後はデータマネジメント試験を目指す人達への教育の重要性が増しますね。今後、会社としてはどう動いていきますか?
大西:当社は、長年現場で培ってきたデータマネジメントの実践ノウハウを持っているのが強みですから、これを最大限活かして日本企業に貢献していきたいと考えています。 私たちは、単に「試験対策」して試験に受かるようにすることを支援するだけじゃなくて、お客様が自分たちでデータを管理できるようになるための「伴走支援」を
| 強化していきます。これまでも複数のお客様で、実際のデータを使って、「どこがダメなのか」「どう直せばAIに使えるようになるのか」を体験してもらう実践型の「非エンジニア向けデータマネジメント・利活用人材研修プログラム」をご提供してきました。これからの時代、データマネジメントは一部の専門家だけのものではありません。私たちは、研修や教育プログラムを通じて、日本中のビジネスパーソンにこのスキル・知識を広めていきたいですね。 |
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――最後にひとこと
大西:私たちが社名を「株式会社リアライズ」から「株式会社NTTデータ バリュー・エンジニア」に変更しましたが、そこには「データの価値(バリュー)を高める人材こそが、これからの主役だ」という強い想いを込めています。AIの恩恵を最大に享受し、日本の国際競争力を強めていくためには、その源泉となるデータを整備し、AIが理解しやすい状態で与えてあげる、つまり、データマネジメントが必須になります。ぜひ私たちと一緒に、日本のデータ活用を根本足元から強くしていきましょう。
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