【リアライズ通信(201501)】

このコーナーは、リアライズ社長の大西が発信するブログです。最近の出来事や、今後のビジネスへの考えを綴っています。

 

 

2015年を迎えるにあたり 

~ビジネスとITをデータでつなぐ-もはやデータマネジメント不在は許されない時代に~

 

新年、明けましておめでとうございます。

皆さま、旧年中は大変お世話になりました。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

2014年4月にアップして以来、リアライズ社長ブログの更新を滞らせてしまいました。

誠に情けないお話しですが、社業が激しく多忙を極めていたため、この社長ブログで筆を執ることができませんでした。

これまで読んでくださっていた皆さまには、ご心配をおかけしまして、申し訳ございませんでした。深くお詫び申し申し上げたいと思います。

 

『Make IT Real Business』~ITをビジネスのために役立てるには、その中の"血液"であるデータを的確にマネジメントしなければならない~という企業理念のもと、当社は創業から一貫してお客様の情報活用を支援するトータルサービスを提供して参りました。

ここ数年注目されていた「ビッグデータ」というキーワードが沈静化してきつつある中、「オムニチャネル」「データドリブン」「オープンデータ」といった新たなIT用語が生まれてきています。そうした“流行り言葉”に当社は一切迎合せず、本質的な「お客様のデータをビジネスに活用可能な状態で維持・進化させる活動」だけを愚直に続けています。

 

たとえば、「オムニチャネル」を実現するためのアプリケーションやツールは世の中に出回っていますが、例えば商品マスタや顧客マスタが、販売管理システムは販売管理システムの中に、ネット通販システムはネット通販システムの中に、コールセンターシステムはコールセンターシステムの中に、SFAシステムはSFAシステムの中に、それぞれ連動せずに格納されていたり、コードもバラバラで散在していることがほとんどです。

結局、これらのデータの値の意味や精度、鮮度、粒度が異なっていたり、複数システムにまたがって存在するお客様を同一のお客様であると識別できるデータの「土台」ができていなければ、それぞれのタッチポイントでお客様がどう行動しているかを正確に把握できません。

そうした状態では、オムニチャネルの本質であるネットとリアルを融合させた新たな顧客体験などを提供することはできないのです。

 

今の著名なコマースサイトを比べてみてください。

ユーザインタフェースは、ほとんどどのサイトもコモディティ化して機能的な違いはほとんどありません。

違いが出るのは「データ」-その商品の良さや特徴をパッと見で端的に伝える情報や、きれいな画像、ほしい商品を探したり、絞り込んだりしやすいカテゴリスペック、購入後の利用シーンを想起しやすくするためのエピソードなど、システム(器)ではなく、データ(中身)をいかにリッチにするかが問われているのです。

 

私は同じ主張をずっと繰り返し続けていますが、ITはお客様もしくは、お客様の先にいるお客様の行動をより良く変えていくための手段に過ぎず、導入が目的ではありません。

そこに気づき、ITとビジネスをつなぐデータを組織横断的にマネジメントし、ビジネスに活用していくための新たな組織である-データマネジメント部門を立ち上げようという先進的な企業が、少しずつ目に着くようになってきました。

メガバンクではバーゼルⅢの規制対応に端を発した取り組みになっていますが、業種業界を問わずこうした動きが広がりつつあります。

IT部門と業務(利用)部門の間におけるデータ活用の橋渡し役として、こうした組織の新設が一つの大きなうねりになっていくでしょう。

スマホやモバイルデバイス、センサー、ソーシャルメディアなどの普及と進化により、お客様の行動やプロファイルがこんなにも手に入りやすくなっているのに、そのデータから価値を引き出して使わないなんてどんなに“MOTTAINAI”ことか。

データマネジメントの不在はITをビジネスに活用できないことと同義であり、IT部門の存在意義も問われてきています。

 

データマネジメント部門はどんなミッションを持ち、どのような活動計画で具体的な取り組みをしていけば良いのか、組織を横断したデータを生み出し、流通させ、活用・保全していくためのルールをどう敷設すれば良いのか、社員の教育をどうすれば良いのかなど、組織立ち上げと活動の定着化に至るまでの道のりは決して平坦ではありません。

その期間も、「3ヵ月」といった単位ではなく、複数年にわたっての中長期的な取り組みになります。

その道をお客様と一緒に切り開いていくためのノウハウやプロシジャーを当社は創業以来、ずっと蓄積し、磨き上げてきましたので、この領域で当社は他社が追随できないオンリーワンの価値を提供できます。

 

2014年は、こうしたデータマネジメント部門の立ち上げ・推進の支援を構想策定フェーズからコンサルティングし、プランを実行していく顧客案件が徐々に増えてきた元年となりました。

お客様と実際にデータマネジメントを社内に定着化するための活動をご一緒していくと、個別の組織や業務を優先させ、システムが濫立してしまっている現状を目の当たりにします。

その問題の根深さと影響の大きさに逡巡することもありますが、もはやその状態を放置することは日本の企業・組織にとって許されない領域まで差し掛かっていると実感します。

新しい2015年を迎えるにあたり、この領域でお困りのお客様をより多くサポートしていけるように、ノウハウのテンプレート化やパッケージングをさらに進めて、データをビジネスに活用したいと真剣に考えていらっしゃるお客様を強力にバックアップしてまいりたいと考えております。

 

部門ごとの既存業務処理の効率化のためのITから、ITから生まれるデータをいかにビジネスに活かすか(=攻めのIT)が問われてきている今、『ビジネスとITをデータでつなぐ』-当社のゆるがない企業理念、事業コンセプトをとことん集中・特化させ、「とんがった存在感」をもっと前面に出していきたいと決意しております。

引き続きお客様と一緒に、「データを企業にとっての重要な資産として、その価値を高めることが大切」という文化を創り出し、全社員一丸となって『データマネジメント』を普及・定着化させるために、新年も取り組んでまいりたい所存です。

 

当社は『情報から価値を生み出す真のバリュークリエーター』として、データを磨き、使い倒して現状を変革していこうとしているビジネスリーダーの皆さま方とともに、「器(システム)」ではなく、現実の「中身(データ)」とそれを生み出す組織の問題と真剣に向き合い、闘い続けていきたいと思います。 

本年もどうぞ、宜しくお願いいたします。

 

2015年1月1日

株式会社リアライズ

代表取締役社長

大西 浩史

 

 

 

※記載内容は執筆当時のものです。株式会社リアライズは2023年1月1日に株式会社NTTデータ バリュー・エンジニアに社名変更しました。

 

 

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