IT部門とユーザ部門の間には・・・
このコーナーは、リアライズ社長の大西が発信するブログです。最近の出来事や、今後のビジネスへの考えを綴っています。
「竜馬がゆく」のおかげで相変わらず寝不足続きです。
仕事もたまっていて、夜は人と会ったり、お客様との懇親会が多いこともあり、なかなか読書の時間が深夜遅くしか取れず、今のところ7巻の真ん中くらいでしょうか。
・・・やっぱり良いですね。
前半は黒船の来航や幕府・藩の威信が落ちていく眼前のパラダイムシフトにどう身を処するか、そうした時代に対して自分がどんな役回りをすべきかが見定められず、様々な青年-竜馬像が垣間見れるのですが、後半は司馬遼太郎の手を完全に離れ、彼が自由勝手に躍動しています。
私は薩長同盟の成立のくだりが大好きなのですが・・・、書き出すとちょっと止まらなくなるので、「竜馬がゆく」についてはこの辺にしておきます。
さて、少し以前に、あるパートナー様のセミナーで当社の重要ユーザのお客様にご登壇いただき、スピーチをしていただきました。
資材調達業務の戦略立案・実行などで現場を取り仕切り、豪腕で経営層を納得させてプロジェクトを動かすような、とにかくお忙しい方なので、講演のために随分とお手間を取らせたのではないかと、ずっと心苦しく感じておりました。
しかし、当社のために講演を二つ返事で快諾いただき、とても嬉しかった。
そして、これまで当社の社員がお客様の立場にたって一心不乱に提案活動やプロジェクトのデリバリーをしてきた結果だと思うと、経営者としてこんなに冥利なことはないと心から思いました。
当日の講演では、
データマネジメントに関する業務部門における取り組みと、その取り組みにおいてRealizeがどういう役割でご支援をさせていただいたかという(ちょこっとだけ宣伝含む)ご紹介、それから、大変重要なポイントとして、その取り組みの結果として具体的にどれだけの成果(利益)を生むことが出来たかについて、
相当踏み込んだ充実した内容のスピーチをしてくださいました。
約一時間、百人近い聴講者を前にして、スピーチに慣れていなければ、緊張してしまって冗長になったり、話の意図が伝え切れなかったりするものです。
しかし、全く何の心配も要りませんでした。
実体験に基づいた迫力ある業務改善の具体的なプロジェクト概要とデータマネジメントを通じたコストダウンの実践方法、データ整備を通して得た情報を活用した見える化のアウトプット例についてご提示いただき、あっという間に一時間が過ぎました。
一点だけ講演内容に関してではなく、気になったことがありました。
セミナー聴講者の方々はほとんど情報システム部門やベンダーの方々だったと思いますが、雰囲気として、情報システム部門の方々とユーザ部門の方々との間には「データに対する意識の違い」があると感じたことです。
あくまで感覚的なものなので正確ではないかもしれませんが、情報システム部門はテクノロジーや方法論などに、業務部門は業務改善のプロセスとその結果のことに興味の的が絞られる傾向があるのではないか、と。
私は、「業務」、「システム」、「データ」とこれらを生み出す「組織(人)」が最適な状態になって、はじめてITが真にビジネスの役に立てると思っています。
最近読んでいる本で、
「戦略的データマネジメント」
~企業利益は真のデータ価値にあり~
トーマス C.レドマン 著 栗原 潔 訳 出版社 翔泳社
会社を生かすデータ、殺すデータ・・・ いかにデータを利益に変えるか?
―――データは企業の命運を握る戦略の根源である!
質を伴わない量は意味がない。分析力を部きにする企業でさえ、データの質の向上には苦労している。
データに対する投資は、自社独自の価値を産み出す。
これこそが真の意味での競合優位性だ。
というものがあります。
(まだ読み始めて1日で100ページくらいしか読めていませんが、全く眠くならない名著だと思います)
その著書の中で、
『データと情報に関する既成概念を捨てよう。「当社の重要なデータは全社データベースに格納されており、IT部門が管理すべきものだ」、「データを扱うのは事務担当者であり、私はアイディアだけを気にすればよい」などと考えるならば改めるべきだ。』
とあり、双方により関心を持ち、全体最適のためのコミュニケーションやディスカッションが今こそ必要なのではないかと感じました。
※12年間にわたり、ベル研究所で「データクオリティ」について研究してきた著者が語りかける言葉と、ずっと様々な業種の様々なお客様の業務データを見てきた私が今使っている言葉とが、共通点がたくさんあって正直ビックリしています。
※この辺は、またこのブログでご紹介したいと思っております。
ブログは更新を怠ると、一回に書きたい量が異常に多くなりますね。
反省です。
長文となったことをお詫びいたします。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
※記載内容は執筆当時のものです。株式会社リアライズは2023年1月1日に株式会社NTTデータ バリュー・エンジニアに社名変更しました。