【リアライズ通信(201208)】

このコーナーは、リアライズ社長の大西が発信するブログです。最近の出来事や、今後のビジネスへの考えを綴っています。

 

先週の土日は、夏休み最終日になっても小学校の息子と娘の宿題がまだ終わっていなくて、とてもあたふたしていました。
夏休みの風物詩(?)を「自分もそうだったなぁ」と思いつつ横目で見ながら、この8月もあっという間に終わろうとしていることを実感しました。

さて今回は、データマネジメントに携わり、長年取り組んできた者として、最近とみに思うところがあります。
それをうまく表現できるかどうか、正直自信がありませんが、徒然なるままでも自分の思いを表出したいと思います。

データマネジメントの「定義」について、昨年立ち上げて、既に100社の会員企業が賛同してくださった(社)日本データマネジメント・コンソーシアムでは、

データマネジメントとは、

『データ資産を生み出し、その価値を高めていく活動全体』であり、

その詳細は、
『地域/場所を問わず、自社内外を問わず、企業/組織を取り巻く多様なステークホルダーから発生する「データ」のあるべき姿や運用制度/ルール、実施責任体制、役割分担等を具体的に定義し、厳正かつ目的に沿った統合的なデータ管理の実行を通じて、企業/組織がビジネス付加価値を創出するための有益な情報資源として常に活用可能な状態を維持/向上させる継続的な営み全般』であり、

その目的は、
『企業活動を支える情報システム等を動かすための根源となるデータの的確な定義と運用管理を通じて、企業/組織における統一的な意味をデータに持たせて整合性をたもち、現場/部門/経営の各レイヤーでの意思決定の質的向上や業務効率化、リスク抑制などのビジネスに役立てること』

と定義されています。


ある意味、極めて当たり前のことであり、
「適切なデータ品質を維持するため、データ運用管理はエンタープライズにおける大切な仕事である」「データを活用してビジネスに活かしていくことが、今後より求められる」
等の言葉に対して誰も異論を挟まないと思います。

しかしながら、たとえば「データ品質を守る」という重要なアクティビティが大多数の国内企業・組織の中で「(後ろ向きな)コストである」と見られることがほとんどではないかと感じます。

なぜ、そうなってしまうのでしょうか。

私なりに考察するに、「一生懸命データ品質を守ることによって、何が良くなっているのか」という検証や評価がこれまで疎かにされてきたからではないかと考えています。
それゆえ、経営者もデータ資産を取り扱う現場層にも、「データ品質を維持し、向上させることによる成功体験」が積み重なっていないため、自信をもってデータマネジメントに投資が出来ないのではないかと感じます。

このインターネットの時代に、商品マスタが社内に分散して更新の遅れが発生したり、間違いが混入したりすれば、リアル店舗での取引のように実際の商品(現物)が確認できないEコマースでは、Web上の画面(データ)でしか商品を探したり、比べたり、仕様の確認ができない訳ですから、その影響は甚大になるでしょう。
さらに、自社のコマースサイト上だけでなく、商品データはアフェリエイトやモール上のショッピングサイト、ネットオークションなどでインターネット上を駆け巡っているため、劣化した品質のデータがひとたび社外に提供されたら、問題が拡散していきます。

リアル取引からEコマースへ移行する潮流は止まるべくもなく、逆に、品質の高い商品データをマーケットに提供できれば、どれだけ大きなビジネスチャンスになるでしょうか。

・どんな価値や特徴をもった商品かが、無数のリスト表示上でちゃんと訴求されている商品データかどうか

・色違いやサイズ違い、アソートメント、内容量、商品構成など、ユーザにとってわかりやすい商品データになっているか

・i-Padやアンドロイド端末などマルチデバイス化に対応して、それぞれのデバイス特性に適した、使いやすい商品データになっているか

・検索を駆使して欲しい商品を探して価格比較が簡単にできるネット第一世代から、高齢者や主婦の方などネット第二、第三世代に利用者が広がっていく時に、彼らにとってわかりやすい、表現力豊かな商品データになっているか

「データに間違いがあったら大変」というマイナス面だけではなく、データ品質の向上によって商品自体のブランド価値の増進やユーザから買われやすくなる効果があるはずだと私は信じています。
重ねてとなりますが、現物を眺めて確認してから買えるリアル取引から、多様なデバイスを通じてEコマースで購入するユーザの層が増えていくのは確実ですから。

「単なるコスト」としてのデータマネジメントではなく、データ品質の拙巧がEコマースの成功・失敗を左右するような時代がくるのではないか。
そうしたパラダイムシフトに早く気付き、マーケティングや競争優位性の獲得のための投資としてデータマネジメントを実践する国内の事業者が海外からの強力な参入者と伍したときに生き残り、勝ち残っていけるのではないか。

そのように私は最近考えております。

以上、毎回長文で、かつ、今回は自分自身が何を言いたかったのかを考えながら書き下したため、非常に読みにくい文章になったと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

それではまた、来月のリアライズ通信でお会いできたらうれしいです。

 

 

 

※記載内容は執筆当時のものです。株式会社リアライズは2023年1月1日に株式会社NTTデータ バリュー・エンジニアに社名変更しました。

 

 

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