【リアライズ通信(201210)】

このコーナーは、リアライズ社長の大西が発信するブログです。最近の出来事や、今後のビジネスへの考えを綴っています。

 

本年度もあっという間に上半期が終わりました。
新しいお客様との出会いも多く、とても充実した半年になりました。

この10月、11月で新人を6名採用し、様々な職務経歴や業務経験を持つ新しい仲間たちが増えました。
組織の活性化の意味でも、志を同じくする新たな仲間がどんどん増えていることを本当にうれしく感じています。

全ての採用者は最終的に私が面接をするのですが、各人ともに「自らデータマネジメントについてそれぞれの場面で具体的な悩みや問題意識を持ち、その実体験に基づいてデータマネジメントの重要性を認識し、何がしかの取り組みを実践してきた」メンバーばかりです。

当社の企業理念-Make IT Real Business:高度化とともに複雑化を遂げるITを実際のビジネスと調和させ、真の目的である業務の合理化や戦略化を実現するためには、システムの中に流れる「血液」、つまり、「データ」の可視性や再利用性、信頼性等を高めることが最大の課題です。

こうした課題を解決するため、お客様のデータ資産の付加価値を高め、 リアルなビジネスを加速させる
-Realizeは、ITをRealに活かせるものとし、情報社会の活性化、ひいては豊かな社会の実現に貢献していきます。-
に深く共感して、人生において大きなイベントである転職を決意してくれました。

まだまだ当社も、「データマネジメント」という概念もマーケットからしっかりと認知されている訳ではありませんが、新しい仲間たちとともにお客様へご提供できる価値を高め、「データマネジメントに取り組んで良かったね」と実感できる成功事例をたくさん増やすことを通じて、よりお客様から必要とされる存在としてさらに成長していきたいと考えております。

さて、先週の25日、26日に、私が理事を務めるDAMA(Data Management Associ-ation)日本支部のカンファレンスがあり、あのEA(Enterprise Architecture)の父-ジョン・ザックマンさんが来日、講演してくださいました。

書籍等ではEAの勉強はそれなりにしていたつもりでしたが、改めて肉声を通じてチュートリアルを伺うと、「ああ、真意はそういうことだったのか」という気付きがあり、とにかく76歳というご年齢を感じされない熱意とユーモア、会場中を動き回り、エネルギッシュに語られるお姿に感銘を受けました。

ザックマンさんの講演を通じて感じたことが2点ほどあり、本日はその話を書きたいと思います。

一点目は、「これまで長きにわたって、どれだけEAが顧みられずにITの部分最適な導入が進んできてしまったのだろうか」という、呆然とした思いです。

ザックマンさんのフレームワークは、何10年も前からほとんど変わらず、それが一過性のブームではなく、しっかりと企業に根差していれば、ビジネスを起点にデータ、そしてシステムが整合性をもって疎結合されていると、様々な変化にも柔軟に対応できる強い「エンタープライズのファンダメンタル」が実現されていたはずです。
それが、口で言うほど簡単なものではないことは重々承知しておりますが、個別の業務部門ごとのニーズに対して、少々厳しい言い方をすれば場当たり的に企業の本質的な全体構造の均整を無視したシステムの導入が洋の東西を問わず行われてきてしまったのではないか、と再度痛感しました。

きっと、今企業を蝕んでいる「ビジネスの変化やスピードへの対応に追随できない原因となっているデータの無法状態」は、ザックマンさんのフレームワークが少しでも顧みられていれば、こんなに問題が広範囲に根深くならず、改善にあたってここまでパワーをかけなくても済んだのではないか、と思わざる得ませんでした。

もう一点が、ザックマンさんが「"Time to Market"がいかに短くなっていて、それに対してITが対応していかなければならない」ということを何度も強調していた点です。

あらゆる企業・組織において、商品・サービスを市場に対して一瞬でも早く供給し、多様化するデバイスを通じて(つい最近までザックマンさんは、プレゼンでOHP(!)を使われていたようですが、今回はi-Padを使われていて面白かったです。笑)、
最終顧客との対話を行い、それらを改良・改善していく営みが重要になると説いていました。

また、システムを新たにつくったり、プラットフォームを運用する必要性が極めて薄まったこのクラウドの時代に、"IT Man"たちが何に取り組むべきか"Time toMarket"を最短化するために統合されたデータ基盤(EAを司る組織や仕掛けも含む包括的なもの)を整備することがこれからのIT部門の大切な仕事になる、と訴えかけられていたのだと解釈しました。

私どものサービスは「絵に描いたモチのEA」ではなく、「目の前のビジネス目標を達成するために実現しなければならないEA」に向けた極めて具体的な解決策であり、新たな仲間とともにそのサービスをさらに洗練させなければならないと再認識しました。
また、「欧米に比べ、日本は圧倒的にデータマネジメントの分野で後れを取っている」という自嘲的な声に対して、私は一方的には与しませんが、DAMA Internationalの活動がもう25年も続いてきて、招聘したゲストスピーカーの講演も「本質的な取り組みが行われているな」と感心されられるものばかりであり、我々日本も「いつかはそれに追いつき、追い越すような気概」をもってアクションをしていかなければならない、と決意を新たにした次第です。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また次回のリアライズ通信でお会いしましょう。

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※写真は、うちの社員がお願いしてザックマンさんと一緒に撮っていただいたものです。
気さくな感じで「ああ、良いよ!」と快諾をいただき、私がリアライズの社長だという話をすると「Really!」(君が社長なの?)と笑って答えてくれました。
こういうお人柄の良さもザックマンさんのファンが多い所以なのではないかと感心しました。

 

 

 

※記載内容は執筆当時のものです。株式会社リアライズは2023年1月1日に株式会社NTTデータ バリュー・エンジニアに社名変更しました。

 

 

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