【リアライズ通信(201312)】
このコーナーは、リアライズ社長の大西が発信するブログです。最近の出来事や、今後のビジネスへの考えを綴っています。
■リアライズ通信201312
本年もいよいよウィークデイ最終日となり、残すところ後わずかになりました。
新たな2014年を迎えるにあたり、やりたくても忙しすぎてまだやれていないコトがたくさんあります。
後ろ髪を惹かれる忸怩たる思いはありつつも、区切りとして思うところを徒然なるままに書き綴りたいと思います。
『Make IT Real Business』~ITを真にビジネスのために役立てるには、その中の"血液"であるデータを的確にマネジメントしなければならない~という企業理念のもと、当社は創業から一貫してお客様の情報活用を支援するトータルサービスを提供して参りました。
この1年、毎日のように「ビッグデータ」というキーワードが新聞紙面にも大いに喧伝され、世間の耳目を集めています。
しかし、結局自社のマーケティングやサプライチェーン上のビジネスで活用したいと考えた時に、自社内の販売管理やSFA、Web受注、コールセンターなど部門ごとのシステムに蓄積されたデータ、つまり内なる「スモールデータ」の値の意味や精度、鮮度、粒度が異なっていたり、同じお客様をデータ上でも同じであると認識できる土台が合わなければ、「優先度を調整して営業担当の配置をこれだけ変える」、「取引先の発注量をこれだけ変える」といった具体的なアクションを打つことができません。
その基本的なところに気付かない状態で、ビッグデータを扱うための巨大なアプライアンスやBIツール-「器」だけを買ってきてデータを入れ込んでも、ビジネス上で良いことは何も起こりません。
クラウドやプラットフォーム、ネットワークサービスの進化やビジネスインテリジェンス、データウェアハウス等のツールの充実化により、従来では考えられないようなコスト・期間で、「宝の山を探す旅」に出掛けられるようになっています。
それなのに、データの「器」ではなく「中身」で躓いてしまう企業が非常に多いことが残念で、本当に忸怩たる思いをすることが多々あった2013年でした。
デバイスやセンサー、ソーシャルメディアの普及と進化により、お客様の行動やプロファイルがこんなにも手に入りやすくなっているのに、そのデータから価値を引き出して使わないなんて勿体なくて仕方がないことです。
旧年中、中期経営計画の1年目の年に、当社は様々なチャレンジと試行錯誤を繰り返してきましたが、その過程で感じていた「このままでは、ビッグデータは一部の領域でしか有効活用されなくなり、確実にバズワードで終わる」という危機感が確信に変わってきています。
「結局、外部のデータを使うためには自社内に散在したデータを掌握し、それを使う人にとって同じ意味ある形、合意できる形でアクションに結びつけることが出来なければ役に立たない」という結論に早晩帰結すると感じています。
では、「やっぱりビッグデータは使えなかった」とならなくするために、どうしていけば良いのか?
私の答えは「ITを語る前に、お客様のビジネスをどうしたいのか、データをどう使いたいのか、それによって何をもたらしたいのかを語り合うこと」に尽きると思います。
ITは、お客様もしくはお客様の先にいるお客様の行動を、より良く変えていくための手段に過ぎず、「ビッグデータ(のためのツール)」の導入は決して目的ではありません。
当社は、お客様企業のIT部門とのお付き合いが、ここ数年で増えてきていますが、商いのメインはマーケティングや営業統括、経営企画、コールセンター、調達、人事、財務などの業務部門の皆さんです。
その皆さんとビジネスの言葉でコミュニケーションをとり、「データをいかにビジネスに活かすか、そのためにはデータがどういう状態であるべきか」を熱く語り合うことが当社ビジネスの源泉です。
その現場の方々の生の声をお聴きするに、自社のIT部門のことを「色々と理由をつけてビジネスをやりにくくさせる抵抗勢力」かのように見られている業務部門の方々が実際には非常に多いように思います。
部門ごとの既存業務処理の効率化のためのITから、ITから生まれるデータをいかにビジネスに活かすかが強烈に問われ、GEのジェフリー・イメルトさんが事業差異化のための切り札としてビッグデータ活用を標榜されているように、トップマネジメントからの期待がこれまでのITの役割と大きく変わってきているパラダイムシフトを強く感じています。
新しい2014年を迎えるにあたり、当社はこれまで以上にお客様とビジネスについてデータを通じて語り合い、企業価値をどんどん高めていくことに邁進したいと思っています。
そして、社員一丸となってデータマネジメントのカテゴリー・イノベーターになるべく、2014年も取り組んでまいりたい所存です。
昨年の年頭のあいさつでもお話しした「単なるコストとしてのデータマネジメントではなくなる」という世界観は、新聞紙面で多く取り上げられている「リアルをベースとした小売企業が本気でオムニチャネルを新たな業態として取り組み始めている話題」で実証されつつあると考えています。
引き続き、「先を行く」お客様、IT部門にいるか、エンドユーザ部門にいるかを問わず、「データを武器にしてビジネスを創り出すリーダー」の皆さんとともに、「データを企業・組織の重要な資産としてその価値を高めることが大切」という文化的土壌づくりに邁進したい所存です。
一つひとつ成功例が出来ておりますので、それを少しでも多くの皆さまに知っていただく機会を増やすよう、ピーアール下手な当社も少しずつ前に出ていくよう努力していきたいと考えております。
引き続き、徹底的な執念と志をもって、社員一丸となって、これからも「お客様にとってデータを武器にする」ために取り組んでまいりたい所存です。
みなさま、本年も大変お世話になりました。
良いお年をお迎えください。
新しい年の所信表明などは、またこにブログで思いを書き綴りたいと思います。
新年もリアライズを、どうぞ宜しくお願いいたします。
※記載内容は執筆当時のものです。株式会社リアライズは2023年1月1日に株式会社NTTデータ バリュー・エンジニアに社名変更しました。